治療例
マーモセットの重度の発育不良を伴う栄養性疾患
病気:コモンマーモセット、生後11ヶ月、雌、体重130g。昨日から急に下半身が動けなくなったとのことで来院。
治療:生後1ヶ月から食事内容はフルーツのみであった。生後11ヶ月であれば300g以上なければならない。血液検査やレントゲン検査でも、栄養状態の悪いこと、骨の変形など、代謝性骨疾患とうかがえる結果が出た。飼育下では、最低でも3ヶ月は小動物用のミルクを与える必要がある。さらにマーモセット類はカルシウムを吸収するのに必要なビタミンDの要求量が非常に高く、意識して与えていないと必ず栄養障害を起こす。カルシウム不足による代謝性骨疾患などの栄養性疾患は、非常に怖い疾患のひとつである。が、予防できる病気でもあるので、是非正しい飼育方法が広まればと願う。治療方法は、食事内容の改善、カルシウムやビタミンD製剤を中心に、その他の症状にあわせて投薬をしていく。軽度のものに関しては比較的予後は良好だが、重度のものに関しては治療に苦労が必要である。
極度に小さく、歩けない状態。
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