治療例
マーモセットの腹部膨満を伴う栄養性疾患
病気:コモンマーモセット、年齢約1歳、雌、体重525g。3-4日前から便秘で、腹部が腫れてきて呼吸が苦しそうとのこと。
治療:食事内容はフルーツや人の食べ物のみであった。血液検査やレントゲン検査でも代謝性骨疾患とうかがえる結果が出た。マーモセット類はカルシウムを吸収するのに必要なビタミンDの要求量が非常に高く、意識して与えていないと必ず栄養障害を起こす。通常、カルシウム不足による代謝性骨疾患では、骨盤が大きくなれずに狭いことや消化管の神経的な問題で便秘気味になりやすい。さらに、心臓や呼吸器にも影響してくるので、非常に怖い疾患のひとつである。が、予防できる病気でもあるので、是非正しい飼育方法が広まればと願う。治療方法は、食事内容の改善、カルシウムやビタミンD製剤を中心に、その他の症状にあわせて投薬をしていく。軽度のものに関しては比較的予後は良好だが、重度のものに関しては治療に苦労が必要である。
腹囲の膨満がわかる。
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