治療例
プレーリードックのオドントーマ(歯牙腫)
病気:オグロプレーリ-ドック、年齢約5歳、雌、体重758g。呼吸が苦しそうとのことで他院にて検査を受け、オドントーマ(歯牙腫)と診断された。病気を詳しく知りたいとのことで、当院に転院。問診にて、この子自身、金網ケージをよく齧る経歴があり、1年前から鼻でも呼吸がし辛い時があるとのこと。診察時は開口呼吸も観察され、上顎切歯の不正や聴診、レントゲンなどにより消化管内にも多量のガスの発生が見られた。
治療:金網のケージを齧るなどをして、切歯の根元に物理的に刺激が継続することによって炎症を起こしたり、切歯を折るなどしてそこから感染が起こり根元に炎症が起こったりなどして、原因は様々だが、切歯の歯根部が石灰化をおこしそれによって鼻腔の狭窄が起こり、鼻からの呼吸が困難となることによって、元気がなくなったり食欲が低下するなどが起きる。診断は典型的な症状、問診(ケージを齧るかなど)、レントゲン(頭部の)で行い、治療方法としては、抗生剤・炎症止め・呼吸を和らげる薬などを用いる内科的方法か、切歯の抜歯や鼻の穴を別の場所に創る外科的方法がある。その子の状態、希望などによってどちらかを選択する。食欲がない子に対しては、食欲増進剤・消化管機能亢進剤などを、開口呼吸を呈している子に対しては、レンタルなどで在宅による酸素投与を施してあげる。いずれにしても、現段階では完治が難しい病気の一つであり、QOL(命の尊厳)の問題を強く感じさせる病気の一つでもあるので、ケージを齧らせない(水槽で飼育するなど)などをして、是非予防に勤めて頂きたい。
鼻の穴の周りに鼻水が付着しており、鼻の穴を大きく広げて苦しそうに呼吸している。
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